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相続手続きでは、さまざまな役所や機関で多くの書類が必要になります。「どこで何をもらえばいいのかわからない」という方のために、手続き別・書類の取得先別に整理しました。
⚠️ この記事のポイント
- 相続手続きの基本書類は①戸籍謄本類②遺産分割協議書③相続税申告書
- 戸籍謄本は「法定相続情報証明制度」を使うと1セットで済む
- 金融機関・法務局・税務署ごとに提出書類が異なる
- 期限のある手続きは相続放棄(3ヶ月以内)と税務申告(10ヶ月以内)
相続手続きで共通して必要な書類
ほぼすべての相続手続きで必要になる基本書類です。まずこれらを揃えましょう。
| 書類 | 取得場所 | 手数料 | 有効期限 |
|---|---|---|---|
| 被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む) | 本籍地の市区町村役場 | 1通450〜750円 | なし(最新のもの) |
| 被相続人の住民票の除票(本籍記載) | 死亡時の住所地の市区町村役場 | 1通300円程度 | なし |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 各自の本籍地の市区町村役場 | 1通450円 | 発行日から3ヶ月が目安 |
| 相続人全員の印鑑登録証明書 | 住民登録地の市区町村役場 | 1通300円程度 | 発行日から3ヶ月が目安 |
| 遺産分割協議書(遺言書がない場合) | 相続人で作成・実印押印 | (作成費用のみ) | なし |
法定相続情報証明制度を活用しよう
複数の金融機関や法務局での手続きがある場合、法定相続情報一覧図を法務局に提出すると、認証済みの「法定相続情報証明書」を無料で複数枚もらえます。各手続きに戸籍謄本の束を何通もコピーする手間が省けます。
不動産(土地・建物)の名義変更に必要な書類
不動産の相続登記は2024年4月1日から義務化(相続を知った日から3年以内)されました。
| 書類 | 取得場所 |
|---|---|
| 登記申請書 | 法務局窓口 or 法務局HPからダウンロード |
| 固定資産税評価証明書 | 不動産所在地の市区町村役場 |
| 相続関係説明図 | 自分で作成 |
| 共通書類(上記の戸籍謄本・遺産分割協議書等) | 各取得場所 |
登記免許税は固定資産税評価額 × 0.4%です。
金融機関(銀行・証券会社)での手続きに必要な書類
各金融機関によって書類が異なりますが、一般的には以下が必要です。
- 金融機関所定の相続手続依頼書
- 被相続人の通帳・キャッシュカード
- 戸籍謄本一式(または法定相続情報証明書)
- 遺産分割協議書(実印押印済み)
- 相続人全員の印鑑登録証明書
- 相続人の通帳(振込先)
証券口座の場合は、受け取る相続人の証券口座への移管手続きが必要です。
相続税申告に必要な書類
相続税の申告は、被相続人の住所地を管轄する税務署に行います。
- 相続税申告書(税務署または国税庁HPから入手)
- 相続財産の評価明細書(土地評価明細書等)
- 相続税の計算書
- 共通書類(戸籍謄本・遺産分割協議書等)
- 各財産の証明書(通帳残高証明・固定資産税評価証明・株式残高証明等)
手続きの期限まとめ
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 相続放棄・限定承認 | 相続を知った日から3ヶ月以内 | 家庭裁判所 |
| 準確定申告(被相続人の所得税) | 相続を知った日から4ヶ月以内 | 税務署 |
| 相続税の申告・納税 | 相続を知った日から10ヶ月以内 | 税務署 |
| 不動産の相続登記(義務) | 相続を知った日から3年以内 | 法務局 |
| 金融機関の名義変更 | 法的期限はないが早めに | 各金融機関 |
💡 まず相続税がかかるか確認しよう
書類収集の前に、そもそも相続税の申告が必要かを相続税計算ツールで確認しましょう。基礎控除以下なら申告は不要です。
書類収集の前に、そもそも相続税の申告が必要かを相続税計算ツールで確認しましょう。基礎控除以下なら申告は不要です。
相続手続きに必要な書類一覧
相続手続きには多数の書類が必要です。金融機関・法務局・税務署によって求められる書類が異なるため、まとめて準備しましょう。
共通書類(ほぼ全ての手続きに必要)
| 書類名 | 取得先 | 有効期限 |
|---|---|---|
| 被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡全部) | 市区町村役場 | 制限なし |
| 被相続人の住民票除票 | 市区町村役場 | 制限なし |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 市区町村役場 | 制限なし |
| 相続人全員の印鑑証明書(実印) | 市区町村役場 | 3ヶ月以内 |
| 遺産分割協議書(相続人全員の実印) | 相続人間で作成 | 制限なし |
不動産の相続登記に必要な追加書類
| 書類名 | 取得先 |
|---|---|
| 固定資産税評価証明書(当年度) | 市区町村役場 |
| 登記事項証明書(不動産謄本) | 法務局・オンライン |
| 相続登記申請書 | 法務局(書式・HP掲載) |
金融機関(預貯金・有価証券)での手続きに必要な書類
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 各金融機関所定の「相続手続依頼書」 | 金融機関によって書式が異なる |
| 被相続人名義の通帳・証書・カード | 見つかる分だけでOK |
| 残高証明書(申告用) | 相続税申告に必要(相続開始日時点) |
法定相続情報証明制度の活用
2017年から始まった「法定相続情報証明制度」を使うと、法務局で一度認証を受けた「法定相続情報一覧図の写し」1枚で、複数の手続きに対応できます。
- メリット:戸籍謄本の束を各機関に何度もコピーして提出する手間が省ける
- 費用:無料(何枚でも取得可)
- 手続き:管轄法務局に「申出書」と戸籍一式を提出 → 約1〜2週間で発行
相続人が多い・金融機関の口座が多い・不動産が複数あるケースでは特に効果的です。
相続手続き時系列まとめ
| 期限 | 手続き |
|---|---|
| 7日以内 | 死亡届提出(死亡診断書取得)、火葬許可証申請 |
| 14日以内 | 年金受給停止・健康保険の手続き |
| 3ヶ月以内 | 相続放棄・限定承認を検討・実施(期限厳守) |
| 4ヶ月以内 | 準確定申告(事業所得・不動産所得があった場合) |
| 10ヶ月以内 | 相続税申告・納付、不動産相続登記(義務化) |
| 1年以内 | 相続放棄による管理義務の引継ぎ |
| 3年以内 | 相続登記の義務(2024年4月以降)、未分割申告後の本申告 |
相続手続きに必要な費用の目安
| 手続き | 費用の目安 |
|---|---|
| 戸籍謄本(1通) | 450〜750円 |
| 住民票(1通) | 200〜300円 |
| 印鑑証明書(1通) | 200〜300円 |
| 登記事項証明書(1通) | 600円(窓口)・500円(オンライン) |
| 不動産相続登記の登録免許税 | 固定資産税評価額×0.4% |
| 司法書士への登記依頼費用 | 5〜15万円程度 |
| 税理士への相続税申告依頼費用 | 遺産総額の0.5〜1%(目安) |
デジタル資産の相続手続き
スマートフォンの中に重要な資産情報が格納されていることがあります。被相続人の死亡後、パスワードがわからないとアクセスできず、財産の把握に支障が出ます。
- ネット銀行・証券口座のID・パスワード
- ビットコイン等の暗号資産ウォレット
- FX・株式の取引口座
- 電子マネー残高(Suica・楽天Pay等)
生前に「エンディングノート」にデジタル資産のID・パスワードを記録しておくことで、遺族の手続きが大幅にスムーズになります。
参照・引用資料
- 国税庁 タックスアンサー
- 国税庁 統計年報
- 財務省 税制改正
- 相続税法(昭和25年法律第73号)・租税特別措置法