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税計くん(相続税・贈与税専門ライター)
国税庁タックスアンサー・税制改正大綱等の一次情報をもとに記事を作成。法改正には随時対応しています。
最終更新日:2026年10月8日
配偶者控除(相続税)とは?1億6,000万円非課税の条件と注意点|相続税・贈与税計算ツール
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配偶者控除(相続税)とは?1億6,000万円非課税の条件と注意点

📅 2026年9月19日 🔄 2026年10月8日 更新

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配偶者が相続する財産には1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい金額まで相続税がゼロになる特例があります。「配偶者に対する相続税額の軽減」(通称:配偶者控除)です。ただし申告が必要で、二次相続への影響も考慮が必要です。

配偶者控除とは

配偶者が相続した財産のうち、次のいずれか大きい金額までは相続税がかかりません。

非課税の上限(どちらか大きい方)
① 1億6,000万円 または ② 配偶者の法定相続分相当額

たとえば遺産総額が2億円で配偶者が法定相続分(1/2)の1億円を相続した場合、1億6,000万円の方が大きいので1億円全額が非課税になります。

利用できる条件

⚠️ 申告は必須:配偶者控除を適用すると相続税額がゼロになる場合でも、申告書の提出が必要です。申告しないと控除が適用されません。

二次相続への影響

配偶者控除は非常に有利な特例ですが、配偶者が亡くなったときの「二次相続」で税負担が増えるリスクがあります。

二次相続リスクの例

父が死亡→母が配偶者控除をフル活用して遺産を全額取得→その後母が死亡→子への相続では配偶者控除が使えず、かつ財産が増えているため税負担が大きくなる

一次相続で配偶者控除をフルに使うか、子にも一部相続させるかは一次・二次相続の合計税額でシミュレーションして判断することが重要です。

申告の手続き

まとめ

📌 関連記事:相続税の計算方法や手続きは「相続税の申告方法と手続きの流れ」もあわせてご覧ください。

配偶者控除の計算例

【ケース①】遺産2億円、配偶者が法定相続分(1/2)を相続

項目 金額
配偶者の取得額 1億円(2億円の1/2)
配偶者控除の限度額 MAX(1億6,000万円, 1億円)
= 1億6,000万円
配偶者の相続税 0円

1億円は1億6,000万円の上限以下のため、配偶者の相続税は0円

【ケース②】遺産5億円、配偶者が全額相続した場合

項目 金額
配偶者の取得額 5億円
配偶者控除の限度額 MAX(1億6,000万円, 2.5億円)
= 2.5億円(法定相続分相当)
控除後の課税対象 5億円 − 2.5億円 = 2.5億円
配偶者の相続税(概算) 相続税が発生する

配偶者控除を使いすぎると「二次相続」で損になる

配偶者控除は強力な特例ですが、使いすぎると二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)で税負担が重くなることがあります。

例えば、1億円の遺産を配偶者が全額相続(一次相続の税はゼロ)した場合、配偶者が亡くなったとき(二次相続)は配偶者控除が使えないため、子だけで1億円を相続することになります。最初から子にある程度分けておくと、二次相続の税負担が軽くなるケースがあります。

一次相続と二次相続を合わせた税額を最小化するには、遺産分割の割合を慎重に検討する必要があります。配偶者が高齢・健康状態が不安定な場合は特に重要です。

適用条件の詳細

配偶者控除と配偶者居住権の違い

2020年4月から「配偶者居住権」が新設されました。これは配偶者が自宅に住み続ける権利(居住権)と、子等が自宅の所有権を別々に相続する制度です。配偶者控除(税額軽減)とは別の制度なので混同しないようにしましょう。

配偶者控除を使う際の申告書の書き方

配偶者控除は相続税申告書の第5表「配偶者の税額軽減額の計算書」で計算します。計算式は次の通りです:

軽減額 = 相続税の総額 × MIN(配偶者の法定相続分, 配偶者の実際の相続額 ÷ 課税遺産総額)
ただし、軽減される税額の上限は「相続税の総額 × 1億6,000万円 ÷ 課税遺産総額」

相続税のシミュレーション:一次・二次相続の合算比較

【例】遺産1億円・相続人:配偶者+子2人

分割方法 一次相続税 二次相続税(想定) 合計
配偶者が全額相続 0円 約630万円 約630万円
配偶者1/2・子各1/4 約85万円 約175万円 約260万円
最適な分割(試算) 約150万円 約50万円 約200万円

※試算値。二次相続の財産額・構成により大きく変わります。必ず税理士に相談を。

配偶者控除を使った後の手続き

配偶者控除を使って相続税をゼロにしても、申告書の提出は省けません。申告書提出後は:

  1. 相続税申告書(第1〜第15表)を期限内に提出
  2. 第5表「配偶者の税額軽減額の計算書」に配偶者の取得財産を記入
  3. 遺産分割協議書の写しを添付(未分割の場合は「分割見込書」)

配偶者名義の財産にも注意

「配偶者の財産」であっても、実際は被相続人が積み立てた「名義預金」と税務署に判断されることがあります。被相続人が配偶者名義で積み立てた預金は、相続財産に含まれる可能性があります。特に専業主婦の口座に多額の預金がある場合は要注意です。

配偶者が亡くなる順番で税額が変わる

夫婦のどちらが先に亡くなるかによって、相続税の総負担は変わります。被相続人が高齢の場合、どちらが先に亡くなっても税負担を最小化できる「柔軟な遺産分割」を遺言で指定しておくことが理想的です。

配偶者が存命中の場合の財産移転対策

一次相続後も、配偶者が存命の間に以下の対策が取れます:

二次相続を見据えた資産計画は、一次相続の申告が終わった後でも遅くはありません。専門家(税理士)に相談して最適なプランを立てましょう。

配偶者控除の申告漏れは修正できる

配偶者控除を使い忘れて多く申告した場合、申告期限から5年以内であれば「更正の請求」で払いすぎた税金の還付を受けられます。既に申告が終わった方も、配偶者の取得財産を確認し直してみることをおすすめします。

📖 参考:国税庁タックスアンサー(一次情報)

No.4158 配偶者の税額の軽減

※ 税法は改正されることがあります。最新情報は国税庁公式サイトでご確認ください。

参照・引用資料

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この記事の執筆者:管理人

親族の相続手続きを機に相続税・贈与税を独学で学び、試算ツールの必要性を感じてサイトを開設。国税庁タックスアンサー・税制改正大綱・税務書籍を参照して記事を執筆しています。記事は参考情報です。実際の申告は税理士にご相談ください。